鶴 峰 賞  趣 意 書


    鶴峰賞は、在日韓国人の実業家であった故 李基鶴先生(1928〜2012、イ・キハク、号「鶴峰(ハクポン)」)の志と理念を称え、その遺志を継承すべく制定されたものです。ソウル大学法科大学は、鶴峰先生の意を酌み、各界各層から様々な人々の叡智を結集し、柔軟で創造的な思考を通じて、私たちの社会が直面している種々の問題の本質に迫り、それを克服する努力の一端を担うべく、2015年より鶴峰賞を創設し、広く論文を公募することにいたしました。

    現在、激変する国内外状況の中で、私たちの未来は危機に直面しています。地域、階層間の格差は広がり、少子高齢化が深刻な問題として浮上しながら、分別を失った競争意識と過度の達成至上主義が社会を席巻しています。このような社会問題は、それぞれが交差し関連し合う重層的な構造と化し、また他国家、他地域と共通しつつも絡み合い、互いに影響を及ぼして います。

    私たちの社会が直面している課題と不確実性に対処し、「幸せな社会」を築き上げていくためには、政治家だけではなく、国際社会の各界各層全ての人々が協同し、それぞれが取り組むべき問題を見極めて真摯に行動し、仮に不完全であってもできるところから、現実的な打開策を共に探し求めなければいけません。
    私たちが募る衆知は、机上の空論や抽象的な美辞麗句、独りよがりのアイデアではありま せん。新しい視座と具体的で実現可能なアプローチの方向を示し、鋭い問題意識を元に諸問題を分析し、この現状を打破する方途を提示してくれるもの、現実を漸進的に変革し、私たち 自身をも実際に変えていくことのできる端緒を、部分的にであれ明快に提供するもの、これ こそが私たちの求めてやまない智慧であります。
    そのため私たちは、毎年ひとつずつの具体的な課題を選び、これに対処する知恵を結集する「場」として鶴峰賞を制定します。この試みが、私たちが共に生きるこの社会を、より良き方向に導いていくひとつの契機となることを期待してやみません。
 
 

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(ソウル大学)
鶴峰賞運営委員会 委員長
ソウル大学校 法科大学/法学専門大学院
学長/院長 李元雨