第1回鶴峰賞のテーマ
― 日韓文化交流と両国関係の未来 ―


    近年、日韓関係は退歩を重ねており、両国の緊張状態は国交正常化以降、最悪の状態に陥ったとの評価も出ています。日本では、領土問題や韓国政権の頑なな対日姿勢への不信、韓国の中国シフトへの疑念などが、嫌韓現象に代表される対韓感情の悪化を煽っており、一方、韓国においても、日本の右傾化や歴史認識に対する憂慮の声が固定化してしまったように見えます。それにも拘らず、日韓は常に合わせ鏡のような隣人同士であり、両者が現在直面し、また将来必ず立ち向かわなければならない課題の中には、協同して共に取り組まなくてはいけないものが、決して少なくありません。

    鶴峰賞は、このような日韓両国間の緊張状態を打開する視点として、「文化交流」に照明を当ててみることにしました。現今の、重層的・構造的問題を背景とした両国関係の悪化に対し、この状況を克服するためには、「文化交流」こそが有効であるという問題提起です。「文化交流」は、決して回り道ではなく、互いに対する理解と敬意、共感を基盤とする協同体を築き上げていくための、最も望ましい通路であると考えるものです。ここに、第1回 鶴峰賞のテーマを、「日韓文化交流と両国関係の未来」に選定し、この課題に対する研究・考察を公募することにします。

    各界各層の人びとから多様な意見を聴取し、これを正しく受け容れ取り込むことが、結局は真理に至る最善最速の道であるという信念と、互いを顧みることで、やがて来たる将来に最も親しい隣人になれるだろうという希望と共に、今回の主題に対する多くの方々の深い省察を募るものであります。戦後70年、日韓修交50周年を迎える本年、日韓関係の昨日を振り返り、明日を共に築き上げる作業に、多くの方々の参加を期待してやみません。
 
 
 

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(ソウル大学)
<研究課題の例示>
○ 日本(韓国)における韓国(日本)文化受容の歴史的展開と現況、今後の課題
○ 日韓両国の政治・外交問題における文化交流の力と役割、可能性と課題
○ 文化コンテンツの側面から韓流と日流の比較分析
○ 日本のネット右翼・内向的社会・排外主義・国粋主義・国家依存主義と文化交流
○ 韓国における日本文化の受容が対日感情・対日理解に与えた影響
○ 日韓国家レベルと 地方自治体間の文化交流:協力体制と葛藤、活性化への提言
○ 文化を通じた日韓関係における外交政策展開の問題点と可能性、具体的政策の提言
○ 日韓文化交流と市民社会:民主化、多文化化、多元化、NGO活動など
○ 日韓共同文化/文化融合の現況と可能性、東アジア共同文化圏の構築に向けて